シュタイン

シュタイン

山あいの一軒家にて

 

日が沈んで、数時間。暑くて外に行く気が起きなかったけど、すこし涼しくなっだから外に出た。

適当にラップで包んだだけのご飯を丸めた、お弁当を持ってきた。おにぎりというには、手抜きだろうな。

近くの沢に来て、水を手ですくって飲む。美味しくて目を閉じる。誰もこの僕の顔を見てはいない。

塩と海苔だけのお弁当は、簡単で、続けてしまう。全く、祖父が生きていたら、怒られてしまうだろう。

祖母が死んだ翌年、祖父も死んだ。母方の親戚は祖父の家を壊して土地を売却するつもりだった。思い出の詰まったこの空間を守りたくて、住み込んだ。明後日は、高校の登校日だ。回数券を使って、校舎に行かないとな。

卒業したあと、どう生きようかな。

お題:「空間」「顔」「丸」

 

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